起業を考えているあなたへ!!起業の意義と起業のメリットデメリット
起業を検討している方には、もっと社会に役立ちたい、会社の経営に興味がある、ビジネスの夢を実現したい、などいろいろあると思います。
また起業したい気持ちはあるけれど、どれだけの価値があるのかはっきりせず、スタートの時点で止まっていませんか?
今回は、起業を検討している方に向けて、以下のことについて説明しそんなモヤモヤを解消します。
起業の意義
起業のメリット(起業から得られること)
起業のデメリット(起業で失うもの)
例をつけて分かり易く説明していますので、起業を検討している方の参考になれば幸いです。
目次
1.起業の意義
政府は、起業の意義として白書等に以下のように書いています。
起業が促す経済の新陳代謝と新規企業の高い成長力[1]
起業によって経済の新陳代謝が活発となり、革新的な技術等が市場に持ち込まれ、経済成長を牽引する成長力の高い企業が誕生するということが考えられよう。
①産業構造の転換やイノベーション促進の原動力となり、経済成長を支えているのではないだろうか。
②市場に新規企業が参入する際には、新技術・新生産方式の導入や新商品・新サービスの開発といったイノベーションが市場にもたらされることが考えられよう。
起業による雇用の創出[1]
特に2004~2006年に創出された雇用の約6割は、開業事業所で創出されていることが分かる。
また、情報通信業や医療,福祉といった開業率の高い業種では、開業事業所における雇用創出が雇用増加に大きく寄与しているが、小売業や飲食店,宿泊業といった生業型の業種においても、開業事業所における雇用創出が大きく、起業が雇用創出に重要な役割を果たしていることが分かる。
経済活動の維持[2]
休廃業や解散の件数がここ数年増加傾向にあり、2020年には約5万件に達した。
主な産業別にみると、卸売業、小売業が最も多く、ついで建設業、製造業が多い。
その原因は、経営者の高齢化と後継者不足である。
経済活動を維持できるよう、起業でライフサイクルの若い企業を増やしていく必要がある。
2.起業のメリット(起業から得られること)
自己実現の欲求を達成できる
自己実現とは、自己の内面的欲求を社会生活において実現することです。
自己の内面的欲求とは、自分にしかできないことを成し遂げたい、自分らしく生きていきたいという欲求を指します
起業は、自己の内面的欲求である夢やビジョンに向かってチャレンジしている状態といえます。
企業の中で夢を実現させようとした場合、どうしても「その会社の大きな方向性、戦略」に沿わないものは実現できないことも多いです。
起業すれば、自分で方針を決めることができるので自分の夢を実現させることができるのです。
例えば、著名起業家は以下のようなミッションやビジョンを掲げ、自己実現しています。
①アマゾン・ジェフ・ベゾスのビジョンは、「世界最大のセレクション」
②ビズリーチ・南 壮一郎のミッションは、「すべての人が「自分の可能性」を信じられる社会をつくる」
③ヤプリ・庵原 保文のミッションは、「モバイルテクノロジーで世の中をもっと便利に、もっと楽しく」
④サイバーエージェント・藤田晋のビジョンは、「21世紀を代表する会社を創る」
自分の裁量で自由に仕事ができる
起業すれば誰にも束縛されず、自分の考えや判断で自由に事業に取組むことができます。
自分が正しいと思ったことを自分の判断で実行することができます。
サラリーマンだと、自分が思った通りに進められるとは限りません。
起業では、
①自分のやりたい事業を選んで進んでいくことができます。
②自分でどんなスキルを向上させて、どんな事業を進めるかも自分次第です。
③自分自身で働く時間を自由にコントロールできるようになります。
自分が社長であれば、自分の責任で事業の方向性を決めることができるのです。
社会貢献できる
社会貢献とは、社会の利益に資する行いをすることをいいます。
はじめから社会に資することを目的として行う直接的な社会貢献と、特定の事業や行為をすることが結果として社会貢献につながる間接的な社会貢献とがあります。
起業の場合は、社会課題解決のための事業が結果として社会貢献につながることが多いです。
社会課題解決のため考えたアイデアが、ビジネスに繋げることがあるからです。
例えば、
①アグリメディアは、耕作放棄地を再生して一般の人にレンタルする「シェア畑」サービスや、維持管理事業などを実施。
②アドレスは空き家にリノベーションを施して会員に貸すことで、空き家問題を解決。
③エス・エム・エスは、情報インフラ構築で、高齢社会での医療・介護従事者の不足と偏在、高齢者の生活質低下等の社会課題を解決。[3]
等の事業を実現しています。
社会貢献につながる事業は、社会の共感を得て評価が上がりブランド価値が高まります。
より高い所得が得られる
着実に事業を成長させていけばサラリーマンでは考えられないような高収入を得られる可能性も秘めています。
自分が働いて成果を出し、売上を増やしていけばその分だけ自分の収入が増えていくのです。
事業が軌道に乗れば、高い役員報酬が得られます。
また市場からの支持を得ることができれば、ストックオプションを活用して、収入は青天井で上がり続ける可能性もあります。
例えば、
①ビズリーチ・南 壮一郎氏は、ビジョナル株式会社の株式45%所有し、株式価値1430億円(2020年4月5日株価8,830円)[4]
②ヤプリ・庵原 保文氏は、株式会社ヤプリの株式16.55%所有し、株式価値41億円(2022年4月18日株価1,996円)[5]③Gunosy・福島良典氏は、Gunosyの株式1.64%所有し株式価値4.30億円(株価1,105円:2022年4月25日)[6]
等の資産を得ています。
会社の高評価による高収入の士気向上に繋がります。
年齢に関係なく働ける(定年がない)
起業すると、定年というものがありません。
その気になれば、生涯現役でビジネスを続けていくこともできます。
自分が辞めると決めるまで、心身ともに元気な限り働けるのです。
例えば、
①現在の仕事を徹底的に探究し極める。
②豊富な社会経験を生かした事業展開をする。
③自分の好きな仕事をライフワークとして継続し続ける。
等が可能です。
長い間やりがいを持って生活することで、肉体的にも精神的にも健康でいられるのではないでしょうか。
起業のデメリット(起業で失うもの)
安定した給料
起業して事業を始めたら、当然のことながら収入の保証は誰もしてくれません。
会社勤めの場合、毎月の給料が決まっていて、急に減少したり、ゼロになったりする心配はあまり考えられません。
起業後の収入不足の原因として、
①社会・経済面のリスク:景気後退、感染症による経済活動停滞
②事業面のリスク:売上不足、売掛金の回収遅れ
③資金面のリスク:設備資金過大、ランニングコスト増加、資金調達困難
等が考えられます。
キャッシュフローと資金の確保は、会社経営と社員の生活の安定に必須です。
会社の支え
起業したら、会社の組織としての支えが無くなります。
また、会社の有形無形の支援がありません。
起業直後は、組織としては弱体で、会社の社会的信用もないからです。
例えば、
①戦略や方針を決めるとき、相談できる上司はいません。
②取引先との商談を進める時、会社の信用というバックがありません。
③採用でも、実績や社会的信用に基づく人集めがしづらいです。
最後は自分で乗り越える。
この姿勢が、起業家には求められるのです。
プライベートの時間
起業したばかりの時期は、仕事のためにプライベートの時間が取れなくなることがあります。
ビジネスを早く軌道に乗せるため、ハードワークが必要になるからです。
例えば、
①最年少上場社長として知られるリブセンスの村上太一氏は週124時間
②サイバーエージェントの藤田晋氏は週110時間
を目標に、創業期働いていたそうです。
起業を成功させるには、高い集中力と強い起業家精神により、全力で壁を乗り越える必要があります。
まとめ
起業には、メリットもデメリットもあります。
これは、何かをしようとすればどんなことでもあるものです。
しかし、起業には社会的意義や社会貢献の側面があります。
さらに、自己実現の欲求達成の意味合いもあります。
これらは、強い起業家精神と周到な準備により実現できものと思います。
但し、起業の一歩を踏み出さなくては何も掴めません。
起業を検討している人が、この記事を通して起業に対し積極的になり、起業の第一歩を踏み出していただければ幸いです。
出展
[1]:中小企業白書 2011第3部 経済成長を実現する中小企業
[2]:厚生労働省白書「休廃業・解散企業」件数の推移
[3]:【完全解説】業種・IT起業事例にみる起業成功の秘訣(後編)
[4]:スタートアップ企業ビズリーチの起業プロセスからわかる成功の秘訣
[5]:スタートアップ企業ヤプリの起業プロセスにあったIT起業成功の本質
[6]:IT起業家必読!スタートアップグノシーの起業プロセスと成功の秘訣