中小企業DXはなぜ進まない?現状と課題
「DXは重要だと分かっているが、何から手を付ければよいのか分からない」――そんな悩みを抱えていませんか。調査によると、DXが必要だと感じている中小企業は約7割にのぼる一方、実際に取り組んでいる企業は42%にとどまっています。
人材不足や効果が見えにくいことから、導入に踏み切れず現場の負担だけが増えているケースも少なくありません。
本記事では、最新調査データをもとに中小企業DXの現状と、進まない理由となっている「3つの課題」を分かりやすく整理します。DXを成功に近づける第一歩を、ここから一緒に考えてみませんか。
Ⅰ.中小企業DXの現状[1]

1.中小企業DXは本当に必要なのか
DXを「理解している」「ある程度理解している」と答えた企業のうち、約7割(73.2%)がDXは必要だと考えています。
この割合は前回調査とほぼ変わらず、多くの企業がDXの重要性を感じ続けている状況です。(図表 1)
図表 1 DXの必要性 (n=492 単一回答)

2.中小企業DXの取組みはどこまで進んでいるのか
DXについて、すでに取り組んでいる、または検討している企業は42.0%です。
前回より10ポイント以上増えており、DXに動き出す企業は確実に増えています。
一方で、「取り組む予定はない」企業も約3割あり、二極化していることが分かります。(図表 2)
図表 2 DXの取組状況 (n=1,000 単一回答)

企業規模による違い
従業員101人以上の企業では、約7割がDXに前向きです。しかし、従業員20人以下の小規模企業では、約25%にとどまっています。
それでも、どの規模でも少しずつDXへの関心は高まっています。(図表 3)
図表 3 DXの取組み状況(従業員規模別) (n=1,000 単一回答)

業種による違い
製造業、情報通信系のサービス業、宿泊・飲食業では、DXに取り組む企業が多い傾向です。
多くの業種で、前回調査よりDXの取組みが進んでいます。 (図表 4)
図表 4 DXの取組状況(業種別) (n=1,000 単一回答)

Ⅱ.中小企業DXの具体的な内容

1.中小企業DXで期待される成果
DXで特に期待されているのは、コストを下げて生産性を高めることです。
また、仕事を自動化して効率よく進めることも多くの企業が求めています。
そのほか、
・データをまとめて管理し、数字をもとに判断できるようになる
・働き方を見直し、多様な働き方を実現する
といった効果も期待されています。
DXは、会社のムダを減らし、仕事をしやすくする取り組みです。(図表 5)
図表 5 DXに期待する成果・効果 (n=1,000 複数回答)

2.実際に行われている中小企業DXの取組み
DXに取り組んでいる、または検討している企業では、書類の電子化やペーパーレス化が最も多く、約6割を占めています。
全体としては前回より減っている取組みもありますが、デジタル人材の採用・育成やAIの活用は、少しずつ増えています。多くの中小企業は、まず身近なところからDXを進めています。(図表 6)
図表 6 DXの具体的な取組み内容 (n=420 複数回答)

Ⅲ.中小企業DXの課題

1.中小企業DXに取り組む課題について
DXを進める中で、多くの企業が感じている課題の上位は「ITに関わる人材が足りない」や「DXを推進できる人材が不足している」。
なお、これらの割合はそれぞれ25.4%、24.8%と、前回調査より少しずつ減少しました。以前よりは人材面の課題が少しずつ改善しているようです。
とりあえず、「情報セキュリティの確保が難しい」と答えた企業は14.0%に増えており、デジタル化が進むにつれて安全対策の重要性が注目されていることがわかります。(図表 7)
図表 7 DXに取組むに当たっての課題 (n=1,000 複数回答)

また、従業員20人以下の小規模企業に注目すると、前回よりも「何から始めてよいかわからない」と感じる企業が減り(27.7%→18.7%)、DXへの理解が少しずつ進んでいる様子がうかがえます。
しかし、「具体的な効果や成果が見えない」と答えた企業は22.2%に増加しており、実際にDXを進めても、その結果をどう評価すればよいのかわかりにくいという悩みを持つ企業が多いようです。(図表 8)
図表 8 DXに取組むに当たっての課題 (従業員規模 20 人以下) (n=522 複数回答)

まとめ
本記事では、調査データから中小企業DXの現状と、進まない背景にある3つの課題を整理しました。多くの企業が必要性を感じながらも、最初の一歩で立ち止まっていることが分かります。
まずは自社の状況を振り返り、小さな改善から始めてみてください。今すぐ取り組めるチェック項目や事例を参考に、DXへの第一歩を踏み出しましょう。
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