ノーコードツールKintoneで業務効率化を実現する方法
プログラミング不要で誰でも業務アプリが作れる「Kintone」をご存じですか?
顧客管理、案件管理、日報作成など、今まで時間がかかっていた業務を、専門知識がなくても簡単にデジタル化できます。中小企業でも手軽に始められ、月額1,000円から利用可能です。
この記事では、Kintoneの料金プラン、使い方、できること、注意点まで、初めての方にもわかりやすく解説します。業務効率化の第一歩として、ぜひ参考にしてください。
目次
Kintoneとは?
Kintoneは、プログラミングの知識がなくても業務アプリを作れる「ノーコード」のツールです。専門的なシステムを開発するよりも、素早く低コストで業務を効率化できます。
1. Kintoneの料金プラン
初期費用は無料で、1か月から契約できます。3つのコースが用意されています。
| ライトコース まずは最小限の機能でシンプルな業務改善を試したい | おすすめスタンダードコース 連携・拡張機能で業務をしっかり効率化したい | ワイドコース 大規模で円滑に利用したい | |
| 料金 | 月額1,000円 /1ユーザー | 月額1,800円 /1ユーザー無料お試し | 月額3,000円 /1ユーザー導入相談 |
| 最小ユーザー数 | 10ユーザー | 10ユーザー | 1,000ユーザー |
| 外部サービス連携、プラグインなどの拡張機能 | |||
| 大規模利用向け機能 | |||
| アプリ数 | 200個 | 1,000個 | 3,000個※1 |
| スペース数 | 100個 | 500個 | 1,000個※1 |
| ポータル追加 | |||
| 1アプリごとのAPIリクエスト数 | 1万/日 | 10万/日※1 | |
| ディスク容量 | 5GB✕ユーザー数 | ||
| サポート | メール・電話・チャットによるサポート | ||
2. Kintoneアプリの作り方

(1)アプリを作る4つの方法
①ドラッグ&ドロップで作成
必要な項目を選んで、マウスで引っ張って並べるだけです。パズルを組み立てるように、イメージ通りのアプリが作れます。
②AIで作成
チャット形式でAIに「こんなアプリを作りたい」と伝えると、会話をしながらアプリの名前や項目を提案してくれます。初めての方でも安心です。
③サンプルアプリから作成
200種類以上のテンプレートが用意されています。必要なアプリを選ぶだけで、すぐに使い始められます。
④ExcelやCSVファイルから作成
今使っているExcelやCSVファイルを読み込むだけで、あっという間にアプリ化できます。
(2)実際に作ってみよう!「問い合わせ管理」アプリの作成例[1]
Step1:「はじめから作成」をクリック
ポータル画面の「アプリ」右端にある「➕」ボタンをクリックし、「はじめから作成」を選びます。

Step2:フィールドを配置する
情報を入力する枠組み(フィールド)を配置します。今回は以下のフィールドを使います。
- 「日時」フィールド:問い合わせが発生した日時
- 「文字列(1行)」フィールド:担当者名や相手方の情報
- 「文字列(複数行)」フィールド:問い合わせの内容
これらを画面上にドラッグ&ドロップで配置します。

Step3:フィールドを設定する
配置したフィールドの詳細を設定します。フィールドを選択すると表示される歯車マークから「設定」を選びます。
「日時」フィールドの設定
- フィールド名を「問い合わせ日時」に変更
- 「必須項目にする」にチェック
- 「保存」をクリック
「文字列(1行)」フィールドの設定
- フィールド名を「担当者」「依頼者名」「会社名」に変更
- 「必須項目にする」にチェック
- 「保存」をクリック


「文字列(複数行)」フィールドの設定
- フィールド名を「問い合わせ内容」に変更
- 「必須項目にする」にチェック
- 「保存」をクリック
Step4:フィールドの大きさを調整
入力内容が見やすくなるように、フィールドの大きさを変更しましょう。フィールドの端を選択すると、縦横の幅を直感的に変更できます。

Step5:アプリの名称・アイコンを変更
画面左上から、アプリの名前とアイコンを変更できます。分かりやすい名前とアイコンを設定すると便利です。

Step6:アプリを公開
最後に、画面右上の「アプリを公開」ボタンをクリックして完了です。公開したアプリは、ポータルの「アプリ」一覧から確認できます。

まとめ Kintoneなら、プログラミングの知識がなくても簡単にアプリを作成できます。まずは簡単なアプリから作ってみて、徐々に機能を追加していくのがおすすめです。
3. Kintoneの特徴[2]

(1)ノーコードで業務アプリを自作できる
ITに詳しくなくても大丈夫 これまで、業務用のシステムを作るには、プログラミングに詳しい人材が必要でした。特に中小企業では、IT専門の部署がないことも多く、それが業務のIT化を阻むハードルになっていました。
Kintoneなら、プログラミングの知識がなくても、日報管理やスケジュール管理などのアプリを簡単に作れます。100種類以上のサンプルアプリがあるので、初めての方でも安心です。
業務のアイデアをスピーディに形にできる 思いついたアイデアを、すぐにアプリとして試せます。外注に頼んで数週間待つ必要はありません。
(2)業務に必要なアプリを必要な数だけ作れる
主要業務からちょっとした作業まで、様々なアプリを作成できます。
作成例
- 顧客管理・案件管理
- 日報・スケジュール管理
- 受注管理・お問い合わせ管理
- 交通費申請・お弁当購入
わざわざコストをかけて専用システムを導入するまでもない小さな作業でも、アプリ化できます。
(3)コストパフォーマンスが高い
複数のツールを1つにまとめられる 顧客管理、案件管理、日報管理などのツールを、それぞれ別に開発・契約すると、費用が高額になってしまいます。システム開発を外注すると、百万円から数千万円の費用が発生することもあります。
アプリをいくら作っても追加料金なし Kintoneなら、業務に使うアプリをいくら作成しても、追加料金はかかりません(有料のプラグインを使う場合は除きます)。また、月額費用を支払う形式なので、初期費用も少なく、手軽に導入できます。
(4)複数のアプリ間でデータを共有・連携できる
同じデータを何度も入力する手間が不要 Kintoneには「ルックアップ」という便利な機能があります。たとえば、顧客管理アプリに登録されているお客様の情報を、請求書発行アプリに自動でコピーできます。
同じ情報を何度も登録する手間がなくなりますし、入力ミスも減らせます。
(5)自社の業務に合わせて自由にカスタマイズできる
既製品の「使いづらさ」を解消 パッケージソフトやクラウド型の業務ツールは、機能が固定されているため、自社の事情に合わず使いづらい場面が出てきます。かといって、外注でオリジナルのシステムを開発してもらうと、莫大な費用がかかります。
社内で修正・改善できる Kintoneなら、社内でアプリを修正・改善できます。自社の業務に最適化したアプリへ、低コストでスピーディに変更できます。
(6)コミュニケーションと情報共有が活発になる
コメント機能で情報共有がスムーズに Kintoneでは、アプリ内の各データにコメントを残せます。たとえば顧客管理リスト内で、他の担当者が対応したときの状況を書き残せるので、社内での情報共有がスムーズになります。
通知機能で報告・連絡を自動化 通知機能を活用すれば、部下が日報を登録すると上司に自動的に通知が届くように設定できます。製品の納期の数日前になると、関係各所に自動的に連絡メッセージが送られるような運用も可能です。
スペース機能で掲示板のように使える 「スペース」機能を使えば、掲示板形式で社員が情報を書き込んだり、資料やタスクを共有したりできます。「ゲストスペース」を利用すれば、社外の方も含めた情報共有が可能です。
(7)どこからでもアクセスできる
スマートフォン・タブレットに対応 Kintoneはスマートフォンやタブレットからも簡単にアクセスできます。外出先やテレワーク環境からでも、リアルタイムに操作が可能です。
4. Kintoneの機能[3]
(1)業務アプリ作成によるデータ管理
データを一元管理できる Kintoneでは、業務に必要な情報を「レコード」として格納し、一元管理できます。Excelで言えば、一行一行のデータが「レコード」に当たります。
検索やデータ抽出が簡単 検索機能や一覧表示のカスタマイズが充実しており、必要なデータを瞬時に抽出できます。
(2)ExcelやCSVからアプリを作成できる
既存のデータを簡単にアプリ化 ExcelやCSVなどのファイルを読み込むだけでアプリを作ることができます。ファイルを読み込むと、一行一行のデータが自動的に登録されます。
変更履歴が自動で残る 「誰がデータをいつどのように変更したのか」の記録が自動で残ります。さらに、ある時点の変更前の段階にデータを復元することも可能です。
必要なデータだけをCSV出力できる 出力するデータの範囲を絞り込んだうえで、CSVファイルとして出力できます。
(3)豊富なテンプレートで即座に使える
200種類以上のテンプレートを用意 Kintoneには、あらかじめ様々な業務に対応した「アプリテンプレート」が200種類以上用意されています。「顧客管理」「日報」「案件管理」といった、多くの企業が必要とするアプリをすぐに無料で利用できます。
業種・業務別のテンプレート例
- 営業・セールス部門:案件管理、顧客管理、商談管理
- 総務・人事部門:タイムカード(勤怠管理)、休暇申請、安否確認、交通費申請、出張申請
- 業務全般:議事録管理、日報管理、ワークフロー(社内申請管理)、ToDo管理、在庫管理
(4)ドラッグ&ドロップで簡単カスタマイズ
プログラミング不要で自由に変更 アプリはパーツをドラッグ&ドロップするだけで作成・カスタマイズできます。
28種類のフィールドを自由に配置 Kintoneには「フィールド」と呼ばれるパーツがあります。リッチテキスト、日付、チェックボックス、計算など28種類があり、使いたい項目をドラッグ&ドロップで配置していくだけです。

レイアウトの変更、ワークフロー設定、集計設定、権限設定などを行うことで、自社の業務に合ったアプリを作ることができます。
(5)データの集計やグラフ化が簡単
自動でグラフ表示 データを蓄積するだけでなく、集計してグラフで表示する機能が備わっています。アプリ内にデータが登録されると自動で更新されるため、いつでも最新の集計結果を参照できます。
必要な情報だけを表示する一覧作成 同じアプリでも、見たい情報だけに絞った一覧を複数作成できます。データを登録すれば各一覧に即時反映されるので、「どれが最新のExcelファイルか分からない…」という悩みから解放されます。
(6)社内外での情報共有
コミュニケーション機能が充実 Kintoneにはコメント機能や掲示板のようなコミュニケーション機能が備わっています。担当者同士だけでなく、外部の取引先とも共有スペースを使ってやりとりが可能です。
データごとにコメントを残せる アプリの一つ一つのデータに対してコメント欄が設けられており、宛先を指定してコメントを残すことができます。宛先に指定された人には通知が届くので便利です。

リアルタイムに状況を確認
リアルタイムにステータスを確認できるため、部署間や担当者間の連携がこれまで以上に取りやすくなります。リモートワークをはじめ、多様な働き方が浸透する現代のビジネス環境に大変有用です。
(7)ワークフロー設定で申請・承認業務を効率化
社内稟議をKintone上で完結 Kintoneには標準機能でワークフロー(プロセス管理)機能があります。複雑な承認フローも設定できるため、経費申請や社内稟議・見積などの申請をKintone上で完結させることが可能です。
(8)きめ細かなアクセス制限
3段階のアクセス権設定 Kintoneでは、以下の3段階でアクセス権をユーザーや組織ごとに設定できます。
- アプリ単位:ファイル全体に対する閲覧・編集権限
- データ単位:特定の条件を満たすデータだけに対する閲覧・編集権限
- フィールド単位:特定の項目だけに対する閲覧・編集権限
かなり細かく権限設定ができるため、安心して情報を共有できます。
(9)外部サービスとの連携
APIで様々なサービスと連携 KintoneはAPIを公開しており、連携ツールを利用することで様々な外部サービスと連携できます。会計ソフトやメール配信システムなどを組み合わせることで、データの二重管理を減らし、業務を一元的に管理できます。
(10)プラグインで機能を拡張
無料のプラグインも多数 Kintoneでは「プラグイン」と呼ばれる拡張機能を導入することで、利便性を向上させることができます。無料で公開されているプラグインも多くあります。
(11)クラウド・オンプレミス対応
Kintone本体はクラウドサービスとして提供されています。連携ツールやAPIを通じて、オンプレミス環境(自社サーバー)にあるシステムとのデータ連携も可能です。
5. Kintoneのプラグイン・連携サービス
Kintoneをさらに便利にする「プラグイン」と「連携サービス」について解説します。
(1)プラグイン・連携サービスの種類[4]
①Kintone専用拡張機能サービス
帳票出力やカレンダー、Webフォーム作成など、Kintoneと一緒に使うと便利なサービスが豊富に用意されています。
②外部サービス連携
電子契約サービスやファイル管理サービスなど、様々なクラウドサービスと連携できます。
③セミオーダー型アプリパッケージ
業種・業務に特化した専用アプリがパッケージ化されており、1から作り込まなくてもすぐに使い始められます。
(2)プラグインと連携サービスの違い[5]
プラグイン
- Kintone内で利用できる追加プログラム
- 設定もKintone内で行う
- 使いたいプラグインを選んでアプリに取り込み、設定画面で設定するだけ
連携サービス
- Kintoneと連携できる外部のサービス
- 設定は連携サービス側で行うことが多い
(3)Kintoneプラグインの種類
①Kintoneデータを出力する
Kintoneに登録したデータを、帳票や見積書、請求書などに出力できます。
活用例
- 顧客データから請求書を自動作成
- 案件情報から見積書を自動生成
- KintoneのデータをWebサイトに表示
②データをKintoneへ入力・管理する
Kintoneにデータを入力したり、管理したりする際に役立つプラグインです。
活用例
- 手書き入力ができるプラグイン(タブレットでの現場入力に便利)
- ファイル管理プラグイン
- バックアップ機能を強化するプラグイン
③登録したKintoneデータを連携して利用する
外部サービスと連携させる機能を持つプラグインもあります。
活用例
- Kintoneに蓄積された会計関連データを経費精算システムに連携
- 受注データを会計ソフトに自動転送
- Webフォームからの問い合わせをKintoneに自動登録
④Kintoneで作成したアプリの機能を強化する 作成したアプリの機能を強化するためのプラグインです。
活用例
- Kintoneアプリに検索窓を追加して検索機能を強化
- カレンダー表示機能を追加
- グラフ表示を強化
(3)Kintone API連携
Kintone API連携とは、外部システムとKintone間でデータを自動で連携させる技術です。
API連携でできること
①データの一元管理 外部システムで発生したデータをKintoneに集約したり、Kintoneのデータを他のシステムで活用したりできます。
②業務の自動化 会計ソフトやWebフォームなどと連携し、受注データや問い合わせ内容を自動で取り込んで、転記作業をなくせます。
③システム間の情報共有 異なるドメイン間のKintoneアプリ間でデータを同期させたり、外部のコミュニケーションツールと連携して通知を送信したりできます。
④業務効率の向上 データ入力の手間が省け、入力ミスも防げるため、業務効率と品質の向上が期待できます。
API連携の設定方法
Step1:APIトークンを発行する
- アプリ画面右上の「カスタマイズ/サービス連携」から「APIトークン」を選択
- 「生成する」をクリックしてAPIトークンを発行
- 必要に応じて、アクセス権限を設定
Step2:外部システムと連携する
- 発行したAPIトークンを、連携させたい外部システムの認証情報として利用
- 外部システム側の設定で、KintoneのAPIと接続
API連携の注意点
- API連携には、一部専門知識が必要となる場合があります
- Kintone REST APIには、1ドメインにつき100リクエストまでという同時接続数の制限があります
6. Kintoneのデータベース

(1)データベースを構築する方法[6]
Kintoneでデータベースを構築する手順は、とてもシンプルです。
- アプリの新規作成画面に入る
- 入力フィールドを一覧から設定する
- 内容を保存し、アプリを公開する
また、既存のExcelシートを読み込んで作成したり、サンプルアプリを利用したりする方法もあります。
(2)Kintoneのデータベース構造の特徴
データの管理単位は「アプリ」 Kintoneでは、顧客情報や案件管理などのデータを「アプリ」として一元管理します。Webブラウザからいつでもアクセス・更新が可能です。
Excelとの違い
- データ構造:1つのアプリ内に一覧と個票(詳細画面)が統合されている
- データ連携:アプリ間の連携が容易にできる
- 外部サービス連携:外部サービスとのデータ連携もできる
レコード内にテーブルを作れる Kintoneの大きな特徴として、1つのレコード(データ)内にテーブルを作ることができます。

(3)他のソフトで作ったデータベースとの違い
Excelとの違い
使える関数の種類: Excelはデータベースに対してSUMIF関数やCOUNTIF関数など、豊富な関数機能を活用できます。Kintoneにも関数機能は実装されていますが、種類が少なめです。
ただし、Kintoneにもグラフや表などの集計機能が搭載されているため、複雑な集計でなければ十分に対応可能です。
マイクロソフトアクセス(RDBMS)との違い
トランザクション処理: マイクロソフトアクセスはトランザクション処理(一連の処理をセットで扱う仕組み)ができます。Kintoneは標準機能ではトランザクション処理に対応していません。
データの更新方法: マイクロソフトアクセスは外部キーに紐付けされたデータが常時最新状態に更新されます。Kintoneで常時最新状態へ更新されるようにするためには、ルックアップ機能をカスタマイズする必要があります。
(4)Kintoneの重要な機能と注意点[7]
ルックアップ機能
ルックアップとは? ルックアップは、別のアプリからデータをコピーして取得できる機能です。たとえば、注文管理アプリで商品管理アプリのデータを取得することで、注文管理アプリ内で商品管理アプリのデータを扱えるようになります。

ルックアップの3つの注意点
1. コピーしたフィールドは変更できない
コピーしたフィールドには自動で値が設定され、編集できません。たとえば、顧客管理アプリのデータを案件管理アプリへコピーした場合、案件管理アプリの部署名や担当者名は編集不可となります。

2. ルックアップ元が変更されても、参照先のデータは自動更新されない
これはリレーショナルデータベースやExcelのVLOOKUP関数とは異なる点です。参照先のデータは自動で更新されません。
たとえば、顧客管理アプリで部署名を変更しても、案件情報アプリの部署名は自動で更新されません。変更を反映するには、案件情報アプリで再度ルックアップの取得ボタンを押す必要があります。
3. ルックアップの候補が複数ある場合の扱い
ブラウザ上での操作では、複数ある候補から選択できます。しかし、CSVファイルからのデータ読み込みやREST APIを使用したデータの更新時には注意が必要です。
ルックアップの候補が複数あると、どの値を設定すべきか特定できず、更新に失敗します。そのため、ルックアップの候補が複数ある場合は、値を特定できるように、ルックアップ元のフィールドを重複禁止にしておく必要があります。

(5)関連レコード機能
関連レコードを使うと、レコード詳細画面で条件に合致したレコードを一覧表示できます。ルックアップと同じく、別アプリのデータを参照できます。
たとえば、案件管理アプリ上で、その案件に紐づく活動履歴を一覧表示するといった使い方ができます。

関連レコードの4つの注意点
1.テーブル内フィールドは関連レコード一覧の表示項目に利用できない
関連レコードはテーブルのように表示されるため、さらにその中にテーブルフィールドを設定できません。
2.関連レコードは参照元の変更が自動的に反映される
ルックアップの場合は参照元の変更が反映されませんでしたが、関連レコードは参照元の変更が常に反映されます。
3.REST APIで関連レコードの値を操作することはできない
REST APIで関連レコードの値の取得・登録・更新ができません。
※REST APIとは、Webサービス間のデータ連携を可能にする技術のことです。
4.集計、レコード一覧画面への表示、CSV出力の項目に利用できない
関連レコードは条件に合致するデータを表示しているだけで、レコード内にデータを保存していないため、集計やCSV出力ができません。
(6)複数アプリをまたがったトランザクション処理の難しさ[8]
Kintoneでは、複数アプリに対するAPI処理をまとめて1つのトランザクション処理にすることができません。
たとえば、アプリAとアプリBに対して一度にデータを登録する処理で、アプリAの登録が成功した後にアプリBの登録がエラーになった場合、アプリAへの登録は取り消されません。
Kintoneの排他制御
悲観的排他制御を採用: Kintoneでは「あるユーザーがレコードを編集している間は、別のユーザーはそのレコードを編集できない」ようになっています。
他の人が編集中のレコードを編集しようとすると、保存時に「編集中に、ほかのユーザーがレコードを更新しました」というエラーメッセージが表示されます。
(7)データベース設計するときのポイント
①できるだけユニークキーをつけて運用しよう
レコード番号だけでは不十分 Kintoneではレコード番号が自動で発行されますが、レコードを削除すると同じレコード番号は決して発行されません。
ユニークなフィールドを作成する レコード番号とは別に、ユニークな値を持つフィールドを作成しましょう。
- 顧客管理アプリ:「顧客番号」
- 案件管理アプリ:「案件番号」
ユニークにしたいフィールドには、Kintoneのフィールド設定で「必須項目にする」「値の重複を禁止する」にチェックを入れましょう。

②データやアプリ作成の重複に注意!
悪い例 案件管理アプリで、案件ごとにお客様情報を毎回入力する。
良い例 お客様情報は顧客管理アプリに入力し、案件管理アプリでお客様情報を入力する際は顧客管理アプリからルックアップする。
良い例のメリット
- 入力の手間が省ける
- 表記ゆれ(同じお客様なのに毎回微妙に情報が違う)を防げる
- 住所や電話番号が変更になった場合も、ルックアップし直すだけで複数のフィールドの値が更新できる
7. Kintoneの主要なセキュリティ対策[9]
Kintoneはサイボウズ株式会社により堅牢なクラウド基盤で運用されており、お客様のデータ保護を最優先としています。
認証・認可
- 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)と、ISMSクラウドセキュリティマネジメントシステムの認証を取得
- 政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)のクラウドサービスリストに登録されており、政府調達の対象品目となっています
- 二要素認証、IPアドレス制限、BASIC認証などが利用可能
- SAML認証によるシングルサインオンに対応
データ保護
- "Square"と呼ばれる4重のバックアップ体制でデータを保護
- RAID 6という冗長化手法を採用し、10台中2台のハードディスクが同時に故障してもデータが消失しない仕組み
- SSL/TLS暗号化通信で接続
監査・体制
- 第三者機関によるセキュリティ監査を定期的に実施し、2013年から継続的に結果を公開
- 社内にセキュリティインシデント対応専門チーム「Cy-SIRT」を設置
- 脆弱性報奨金制度を運用
利用可能な設定
接続できる端末を制限 クライアント証明書によって接続端末を認証できます。IPアドレス制限と組み合わせて利用することで、より安全に社外からのアクセスを行えます。

IPアドレス制限(特定のネットワークからのみアクセス許可) アクセスできるIPアドレスを限定し、想定外のアクセスをシャットアウトできます。

アプリ・ユーザーごとの詳細なアクセス権限設定 ロール、組織、ユーザー単位でのアクセス権設定が可能です。データについては、アプリ、レコード、フィールド単位でのアクセス権設定ができます。閲覧や編集権限だけでなく、CSVでの書き出しや読み込みなどの操作権限まで細かく管理できます。

ファイルダウンロード制限
ログイン履歴・変更履歴の記録 ユーザーのログイン記録、アプリの更新やデータの削除など、システムにとって重要な操作を監査ログとして記録できます。データ一括削除など、特に重要な操作ログが実行された際は、管理者にメール通知することも可能です。

不正ログインの有無を確認 過去2週間のログイン履歴を参照し、第三者による不正なログインがないかどうかを確認できます。また、現在有効なセッションを参照し、必要に応じてセッションを終了できます。

データの変更履歴管理と回復が可能 いつ、誰が、どこを、どのように変更したか、データ編集の変更履歴を残すことができます。誤ってデータを更新してしまった場合も、変更前の状態に戻すことができます。

注意すべきポイント(運用の穴)
システムが強固でも、設定ミスや運用の油断がリスクになります。
- 「全員閲覧可」の放置 アプリを作った際、デフォルト設定のまま機密情報を入れてしまい、本来見せてはいけない社員まで見えてしまうケース。
- APIトークンの管理 外部サービスと連携する際のトークンが漏洩すると、そこからデータが抜かれる可能性があります。
- ゲストユーザー招待 外部の人(顧客やパートナー)を招待する際、権限設定を誤ると内部の別データが見えてしまうリスクがあります。
「安全ですか?」への回答 Kintoneそのものは非常に安全ですが、「適切なアクセス権限の設定」と「端末制限(IP制限や証明書)」を正しく組み合わせることが、実質的な安全性を決める鍵となります。
8. Kintoneの注意点・デメリット[10][11]
Kintoneは便利なツールですが、導入前に知っておくべき注意点もあります。
Excelのような複雑な計算は苦手です
Excelで使っているような高度な表計算や会計業務を行うには、追加のプラグイン(拡張機能)が必要になります。標準機能だけでは、複雑な計算式を使った処理は難しい場合があります。
標準機能では複数アプリをまたいだ集計ができません
標準機能では、異なるアプリのデータを組み合わせた集計はできません。ただし、krewDataなどのプラグインを使えば、この問題は解決できます。費用はかかりますが、アプリ間の連携が必要な場合は検討してみてください。
Excelのように直接編集することはできません
標準機能では、一覧画面でExcelのようにセルを直接編集することはできません。Excelに慣れている方は、操作方法の違いに戸惑うかもしれません。krewSheetやkrewDashboardといったプラグインを使えば、Excelのような表示や編集が可能になります。
容量に制限があります
1人あたりのデータ保存容量には上限があります。容量を追加する場合は、別途費用がかかるため注意が必要です。
大量のデータを扱うには限界があります
数百万件以上の大量データを継続的に扱う場合、動作が遅くなることがあります。定期的に古いデータを整理する仕組みを作るなど、運用方法を工夫することが求められます。
大規模なデータ分析が必要な場合は、専門のBIツール(データ分析ツール)やデータベースとの連携を検討すると良いでしょう。
追加機能にはコストがかかります
便利な機能を使いたい場合、プラグインの導入が必要になることがあり、その際は追加費用が発生します。
専門的なシステムの置き換えは難しい場合があります
Kintoneは幅広い業務に対応できますが、業界特有の専門的な機能には対応していないこともあります。たとえば、工場のリアルタイム制御や高度なAI分析などは、Kintone単体では難しいのが現状です。
このため、既存の専門システムを完全に置き換えるのではなく、Kintoneと併用しながら補完的に活用することが中心となります。
基幹システムの完全な置き換えは難しい場合があります
Kintoneはデータ管理や集計は得意ですが、請求書の作成や印刷といった処理は苦手です。特に、販売管理システムや会計システム、勤怠管理システムなど、専門性の高い基幹システムを完全に置き換えるのは難しいでしょう。
プラグインを組み合わせれば対応できる場合もありますが、複雑になりすぎる可能性があるため、既存のシステムと併用することをおすすめします。
導入後のギャップを防ぐためにも、これらの注意点を事前に確認しておくことが大切です。
まとめ
kintoneを使えば、これまでエクセルや紙で行っていた面倒な作業を、驚くほどスムーズにデジタル化できます。まずは無料お試しから始めて、小さな「便利」を積み重ねてみませんか?自分たちの業務にピッタリ合うツールを自分たちで育てる楽しさを、ぜひ体験してください。DXへの第一歩は、ここから始まります。
出展:
[1]:【初めての方】kintoneアプリの作り方・作成例
[2]:kintone(キントーン)とは? 特徴やメリット・できることをわかりやすく解説
[3]:kintone(キントーン)とは?特徴・導入メリットを徹底解説
[4]:プラグイン・連携サービスでさらに広がるキントーンでできること
[5]:kintoneプラグインとは?導入メリットや注意点をご紹介!
[6]:kintoneにはデータベース機能がある?作り方や使い方について紹介
[7]:kintoneにおけるデータ設計の基本
[8]:kintone(キントーン)をデータベースとして使うために構造を知ろう!
[9]:kintoneHP/セキュリティhttps://kintone.cybozu.co.jp/feature/security/
[10]:kintone(キントーン)とは?特徴・導入メリットを徹底解説
[11]:kintone(キントーン)とは?できること・できないことまとめ アプリの活用事例もご紹介!

