大起業家ジェフ・ベゾス起業成功の秘訣は●●だった!

誰しもが成功を目指して起業をしますが、実際に成功を収めることができるのはそのうちのひと握りだけ、というのが起業の厳しい現実です。

それでは、起業を成功させるために必要なものは一体何でしょうか?

まずは、実際の起業家たちから学んでみてはいかがでしょうか。

今回は、現代を代表する大起業家ジェフ・ベソスの、人物像や事業のポイント、成功の秘訣について紹介します。
大起業家でも、最初の一歩は同じですし、苦難を乗り越えて成功にたどり着いているのです。

起業を成功させる視点で書きましたので、参考にしてノウハウやヒントをつかんでください。

1.ジェフ・ ベゾス とは

ジェフ・ベゾス(ベゾス)とは、米最大手のオンラインショッピングサイトである Amazon.com(Amazon)の創業者です。
1964年1月12日、ニュー・メキシコ州生まれ。

1986年プリンストン大学においてコンピュータサイエンスと電子工学の分野で学士号を取得。大学卒業後、初めベゾスは金融アナリストとして勤務していました。
その後コンピュータサイエンスの分野におけるアプリケーションソフトを株式市場に対して応用することに特化していた企業である D. E. Shaw に採用され、そこで彼は自身の才能を発揮するようになりました。

Amazon.comの創業者ジェフ・ベゾス
出展:ウィキペディア

1994年の春、ベゾスはWebの利用率が前年と比べて2300%増加している事実に気がつきました。
1994年に、書籍の小売の分野においてAmazonの前身となる「カダブラ Cadabra」をスタート。
1995年7月16日、Amazonは正式にスタートしました。

以来今日まで、eコマースを代表するサービスとして躍進を続けています。

Amazonは大成功を収め、1999年にはTime誌のPerson of the Yearに選出されました。

現在、ベゾスの資産額は2010億ドル(2021/10/5米長者番付「フォーブス400」)で、アメリカで第1位の大富豪です 

モットー

素早く大きくなれ

ベゾス は、 Amazon を成長させるために、「Get Big Fast」〔素早く大きくなれ〕というモットーを掲げました。
Amazonが得た利益を配当の形で株主に還元せず、会社の成長のために使い 素早く大きくなることを実践しています。

これは、会社が成長し一定の事業規模になることで、規模の経済による安定的な利益をあげるビジネスモデルを志向していることを表しています。

Every day is still Day One

(AmazonHPより)
「Amazonでは、毎日が常に「Day One」であると考えています。
毎日がはじまりの日。新たな挑戦を心待ちにする日。そして今日が、皆様にとっての「Day One」です。
素晴らしいビジネス拡大に向け、あなたのアイディアが形になり始める日。
毎日が常に「Day One」であることがAmazonを支える力となり、刺激となっています。」

べゾスが、「Day One」と言い続けているのは、大企業病から逃れようとしているためです。
起業時の精神を持ち続けることで、破壊的イノベーションを継続しようとしているのです。

2.事業のポイント

起業後の、事業展開での重要事項です。

経営理念

(Amazon HPより)
「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」

顧客のニーズや利益だけを追求してサービスを作る、という顧客第一主義の徹底を言っています。

Amazonの革新的サービス「カスタマー レビュー」、「マーケットプレイス」、「アマゾンプライム」は、 この顧客第一主義 から生まれたものです。

ビジョン

(Amazon HPより)
「世界最大のセレクション」

Amazonのロゴ は、Amazon の下に、「A」から「Z」まで矢印が描かれたものとなっています。

出展:Amazon HP

これは、Amazonで何でも揃うつまり 、「世界最大のセレクション」 という思いが込められています。

書籍から始まり、現在ではエレクトロニクス製品からテニスラケット、宝飾品まで様々な商品を豊富に取り揃えています。

2億種を超える和書、洋書、CD、DVD、PCソフトウェア、ゲーム、エレクトロニクス、文房具・オフィス関連用品、 ホーム&キッチン、おもちゃ&ホビー、スポーツ、ヘルス&ビューティー、コスメ、時計、ベビー&マタニティ、 アパレル&シューズ、ジュエリー、食品&飲料などの商品を取り扱う総合オンラインストアになっています。

経営危機

2002年後半の財政難

Amazonは起業以来、積極的な投資戦略を続けてきましたが、財政的な危険と背中合わせでした。

Amazonはもともと、商品の回転率が高いため売掛債権の回収が早い一方で、債務の 支払期間が売掛債権の回収よりも長いビジネスモデルです。
収益が伸びている限りキャッシュはバランスしますが、絶対的安定はしにくいのです。

2000年にベゾスは銀行から200億ドルの融資を受けていますが、Amazonのキャッシュバランス(現金残高)はわずかに3億5,000万ドルに減少していました。
2002年の後半に、大規模な投資を続けていたAmazonは、収益の伸びがとまった段階で財政難に陥ってしまいました。

この財政難により経営破綻間近になったため、ベゾスは複数の物流センターを閉鎖し、Amazonの全従業員の14%にあたる1300人を解雇しました
その結果、営業利益率が向上し、キャッシュフローの改善により財政的な危機を脱しました。

その後は、設備投資の効果と業務拡大で収益は増加し、発展成長のサイクルを続けています。

ターニングポイント

2001年第4四半期起業以来初めて利益を計上

2001年第4四半期、Amazonは起業以来初めて利益を計上しました。
10億米ドル以上の収益に対し、利益は500万米ドルとささやかなものでしたが、黒字への転換はベゾスの型破りなビジネスモデルが成功できることを示しました。

Amazonの収支状況が大幅に改善したのは、「極端な安売り戦略」の成果でした。
2001年の第3四半期に,主力商品である書籍やCDの売上げが減少したとき、これらの商品を平均で20~30%も値引きしました。
そして、この主力商品の値下げによって売上げは急速に回復したのです。

ベゾスは起業以来、テクノロジー、マーケティング、ブランド構築に投資し、利益を無視してでも速く大きくなる方針でした。
ですから、Amazonは、1995年以降売上高は増加する一方、2001年までは利益はマイナスのまま推移しており、一部の投資家から疑問視されていました。

2001年にようやく利益がプラスに転じたことで、Amazonが利益を出せることを示したことになります。
それ以降、営業利益率は 高くはありませんがプラス で横ばいを続けています。

3.起業成功の秘訣

先見性

1993年当時、ジェフ・ベゾスが働いていたD.E.ショーで、話題になっていたインターネットについて調査を任され、インターネットが急速に世界規模で普及しつつあることを知りました。

インターネットの将来についてのレポートで、電子商取引の年間成長率を2,300パーセントと予測されていたのです。

1992年、米国ではWindows 3.1 for Workgroupが発売されました。
さらに革新的なブラウザ Mosaic でき、Web は誰でも手軽に使うことのできる世界的なメディアとなっていました。
インターネットの利用による、消費者と直接の双方向通信を大量に処理する電子商取引の可能性が言われ、ITバブルが到来し始めていたのです。

そんな時、インターネットでの物販の可能性を確信したベゾスは、起業することを決断したのです。

戦略性

オンライン書店のビジネスモデル

インターネットによる物販の可能性を予見したベゾスは、オンラインで販売できる20種類の商品のリストを作りました。
次に、このリストからもっとも有望と思われる5種類の商品を絞り込みました。
それらの商品は、コンパクトディスク、コンピュータハードウェア、コンピュータソフトウェア、ビデオ、そして 書籍 です。

書籍は、種類が多く、世界的需要があり、低価格であること、そして膨大なタイトルが出版されています。
ベゾスは、書籍はデータが多く消費者行動が顕著に表れるので、自身のアナリスト経験が生かせると判断しました。

最終的にベゾスは、消費者行動分析データを活用して、差別化したサービスをするオンライン書店というビジネスモデルに決めたのです。

低価格、低収益の差別化戦略

電子商取引が始まった当初は、PCを所有している世帯は全体の約1/3に過ぎず、しかも速度が遅いものでした。

そこで、低い利便性を相殺するような顧客サービスを提供して、リアル店舗に差別化する必要がありました。

Amazonの主力商品である書籍やCDは,本来,粗利幅が大きく大幅な値下げが可能な商品です。
そこで「低価格、低収益」こそがたくさんのユーザーを引き付け、かつライバルの参入を難しくすると考えました。

結局、低価格と、無限にある選択肢・完璧な配送サービスを提供することで、十分な顧客価値を生み出し、初期のオンライン購入障壁を克服することにしたのです。

合理性

消費者行動データの数値化

アナリスト経験のあるベゾスは、数値化したデータに基づき経営上の施策を実施しようとしました。

ベゾス は、システム上で蓄積される消費者の行動データに注目しました。
つまり、消費者の行動データを蓄積し分析することで消費者を理解し、販売に役立てようとしました。

自分が買った本や商品について自由に感想を書 き、採点するカスタマー レビュー、
お急ぎ便無料やPrime Videoなど、様々な特典が利用できるAmazonプライム、
アマゾンのサイトにアマゾン以外の第三者の出 品を認めるマーケットプレイス、
など豊富なデータに基ずく消費者行動分析から、破壊的イノベーションを生み出しました。

さらに、書籍で蓄積した消費者の行動データを活用し、さまざまな商品展開をしています。

計画性

長期的視点にたった株主価値向上

ベゾスは、開業当初の4 - 5年間では利益を挙げることはできないと予測していました。

地球最大の品揃えと薄利多売を可能とするため、規模の経済効果をだすことを優先したのです。
そのため事業で得たキャッシュフローは、投資に回し計画的に会計上の利益を出さなかったのです。

フランス・ローウィンプランクのフルフィルメントセンター
出展:ウィキペディア

また、規模拡大の実現には時間がかかるので、長期的視点にたった株主価値向上について理解を得る必要がありました。

1997年のナスダック上場時、
「当社は、売上高や利益を最大化することではなく、フリーキャッシュフローを最大化することを目的にしている」
と株主宛へのAnnualReportに記しています。
1997年のナスダック上場以来、株主に対し配当を配ったことがなく、2014年時点で17年連続で無配を継続しています。

実際、規模の経済効果がでて、安い仕入や効率的な物流、最新のシステム構築を実現し、他社が追随不可な顧客サービスの実現やブランド価値向上、そして株主価値向上が達成できています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

最後にもう一度、ベソス起業成功のポイントをあげておきます。

・先見性
・戦略性
・合理性
・計画性

今回は、「大起業家ジェフ・ベソス成功の秘訣」というテーマで、
これから起業する人や、起業したけれどもなかなか結果がでないという方に向けて説明しました。

大起業家ジェフ・ベソスといえども、基本は同じです。

是非あなたの参考にして、起業を成功させて下さい。

出展:ウキペディア
   Amazon.co.jp HP